BMW MINI R60 E/Gオーバーホール
- 2022.02.04
- BMW

MINI R60。秋田県からご入庫です。
走行中エンジンストール、以前からエンジンオイルの消費が著しいとの事で
秋田県のクルマ屋さんで見てもらったけど原因不明で
お客様からのご依頼でご入庫になります。
このエンジン、2021年1月18日リコール発表がありました。
内容は「対象車両は直列4気筒ディーゼルエンジンにて、タイミングチェーンの素材と表面加工の選定が不適切なため、強度が不足しているものがある。そのため、エンジン作動中にタイミングチェーンが破断し、最悪の場合、走行中にエンジンが停止し、再始動できなくなるおそれがある。改善措置として、全車両、タイミングチェーンを対策品に交換する。」
との事。お客様と打ち合わせを重ね、福島のBMWディーラーに持ってくにも、いかんせん前のクルマ屋さんでいじくりこんにゃくにされて、エンジンハーネスは付いていない、足廻りはバラバラ、あれやこれやと大変な状態になっていて、BMWディーラーが言うには「きちんとした状態でないと受け入れ不可です」・・・
ですよねー。分かります。こんな状態では言語道断。
とりあえずエンジン分解して修理よりもエンジン交換の方が料金を抑えされるかと、お客様が某オークションにてエンジンを購入。
エンジンを直送していただき、分解して対策修理をしていきましょうと
開けたらビックリ、チェーンが切れてます・・・
ロッカーアームもチェーンが切れた影響で突き上げてバルブカバーを貫通・・・
某オークションの商品ページも確認しましたが、「作動OK」・・・
やられましたね・・・こんな事あって良いのか、いかんせんノークレームノーリターンの世界なので誰も責められません。
ここまでの工賃も発生しているし、もう後には引けず、
とりあえず壊れた中古エンジンは置いといて、
現車からエンジンを降ろし、当初の故障原因の追究を。
最近地震が頻繁に起きているので、外した部品は整理整頓して保管します。
降ろしたエンジンをエンジンスタンドにセットして分解を進めていき、
まずはロッカーアームで押されて動くオイルピボットが何箇所か固着しています。
シリンダーヘッドは吸気ポート排気ポート共に真っ黒。
スラッジも多く、ディーゼル車なので余計に汚れます。
ブロックだけの状態にして、ピストンとメタル類を外しましす。
外したメタルを見ると傷が多く、クランクシャフトとのクリアランスも大きかった影響で
オイルの消費が早かったのでしょう。
クランクシャフトも同様に傷があり、とても再使用はできない状態です。
ここからは念密な見積りと手配が必要な部品の有無、改めてお客様との打ち合わせをして
進んでいきたいと思います。
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