MERCEDES BENZ
2023.12.07
S63 W222 エンジンチェックランプ点灯
M157 V8エンジン搭載
2014年式 S63 W222。
エンジンチェックランプ点灯修理のご依頼です。
DTC診断を実施し、P023628を検出。
P023628は「ブーストプレッシャーセンサの機能障害」です。
ブースト圧センサの信号オフセットが許容範囲外を示している事になります。
故障発生時のフリーズフレームデータを確認すると
①大気圧=1.00hpa
②インテーク圧=416.64hpa
③ブースト圧=409.92hpa
④エンジン回転数=680rpm
ブーストプレッシャーセンサは全部で4個付いており
スロットルバルブ上流のセンサが現在のブースト圧を監視しています。
ブーストプレッシャーセンサの交換を進めていきますが、
交換にはインテークマニホールドの脱着が必要です。
インテークマニホールド上部には高圧ポンプからの
フューエルパイプが配置され、全て取り除かないとインテーク
マニホールドは外せません。
シリンダーヘッド右バンクのハーネスは作業の邪魔
になるので逃しておきます。
該当センサを交換していきます。
インテークマニホールド内はスラッジやカーボンで
酷く汚れているので、漬けおきしてパルス洗浄。
エアー圧を上げて洗浄すると工場内が泡だらけになるので
一旦外に出して洗浄します。
新しいガスケットを8枚取り付けておきます。
あとはインテークマニホールドを戻していく予定
でしたが、吸気ポートを覗くとインテーク側のバルブに
スラッジが酷く溜まっています。
直噴エンジンの宿命です。
お預かりした時も若干アイドリングが乱れた時もあり、
センサー類を交換した所で違う不具合を招きかねますし
蓋をしてしまうともう戻れなくなって「清掃しておけばよかった・・・」
となるのは必然なので、
クルミブラストを施工。
あらかじめ先の御見積りには入れておいたので
追加費用は発生しません。
V8エンジンで合計16部屋あるのと、随分と頑固な汚れだったので
方バンクずつ施工してまる2日かかりました。
あとは組み戻しをして、冷却ラインのエア抜きをします。
ここも非常に抜けづらく完璧にエアーが抜けるまで3日かかりました。
入力されていたDTCも消え、近場の試運転から高速道路を使っての
試運転も実施。
再度DTCを確認しても正常で、今回の修理は完了しました。
クルミブラストも施工したのでアイドリングも非常に落ち着いて
快適になりました。
今回はブーストプレッシャーセンサが熱害の影響で故障して
しまいエンジンチェックランプを点灯させたという症状でした。
この度は当社ご利用いただきありがとうございます。
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コメント
作業ブログをご覧いただきありがとうございます。
ニューオートは以前からご納車時の作業報告の際、タブレットを活用して
ご説明させて頂いておりました。丁寧に分かりやすくをモットーに
心掛けております。
作業した記録はフォルダ分けしてクラウドで保存して、お客様のお車は
何年何月何日に何を作業したのかをすぐに把握できるようにしており
ます。
以前のホームページで随分と前から「作業日誌」と題してブログを
書くようになりまして、多くのお客様からのお問い合わせを頂く
ようになりました。しかしながらお客様のお声の中には、
「同じ故障の症状なのにこの前載せてたブログの修理内容と違う」
「修理内容が同じでもかかった費用が違う」
などのお声もあります。
そこでひとつご注意頂きたいのが、
故障内容は同じでも、それに至る経緯が違ったり、お車の使用状況、
経年劣化、部品の耐久性、個体差や部品価格の変動により内容や
修理費用は違ってきます。その点をご理解頂けると幸いです。
同業者様からの問い合わせも増えてきております。
私も作業にいきずまったときに昔も今も聞きまくります。
仲良くさせて頂いている同業者様にはいつも良いアドバイスを頂き
助かっておりますが、中には「ぶっきらぼう」で「冷たい」お言葉を
かけられる事もあります。。。
私もまだまだ分からない事も多く未熟者ですが、分かる範囲で最適
なアドバイスをするように心掛けております。
そういう事が増えていけば整備業界の発展にも繋がりますし、何より
ご依頼頂いているお客様の期待に応える為だと思います。
最後になりますが、これからもお客様がご参考にできるような記事や
出来事を随時更新していきますので、かいつまんでご覧頂ければ
嬉しく思います。