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BMW

2024年10月

2024.10.28

116i F20 チェックエンジンウォーニングランプ点灯

 

エンジンチェックランプ点灯でご入庫頂いたBMW 116i F20。

症状はエンジン始動後冷間時のアイドリングが落ち着かず

エンストする手前まで回転数が落ちる時もあります。

少しずつエンジンが暖機されると回転数も落ち着き

症状は改善されます。

まずは診断から実施します。

エアマスのDTCが入力されていましたが

特段異常は無く、

念の為ISTAに切り替えて診断。

テスト用として在庫しておいたエアマスがあったので

入れ替えてみても症状は変化無し。

各部のエア吸いも可能性があるので点検。

スモークテスターを使って点検してもこれといってエア吸いは

ありません。

改めて診断してみると、、、

DTCが増えている。。。

エアマスが多くて混合気が濃い?

しかもミスファイヤ入力。

こうなると燃料リークや後垂れの可能性があるので

排ガステスターを使ってエンジン冷間時の状態を点検します。

HCがかなり高いです。

ハイプレッシャーポンプ交換と念の為インジェクター交換、

スパークプラグの交換、インジェクター脱着にはインテークマニを外すので

汚れ具合によってはインテークポートのウォールナットブラスト。

御見積りを立てお客様にご了承を頂き

ハイプレッシャーポンプを交換します。

ポンプはBMW純正品を使用します。

アダプター(コネクター)も同時交換です。

スパークプラグはまだ交換履歴がありません。

この機会に交換します。

インテークマニホールドの超音波洗浄。

フューエルインジェクターの交換。

インテークポートはそこまで酷くはないですが

ブラストをしていきます。

ガスケット類を交換して組み付けていきます。

組み付け後、冷間時の不調は消えたものの

エンジンチェックランプが再点灯。。。

しばらく暖機させているとアイドリングも落ち着かなく

絶不調です。

改めて最初からの点検。

ISTAで修理書を確認して可能性がある所を修理します。

オイルコントロールソレノイドバルブにも汚れがあると

アイドリング不調や不具合が発生する事もあるようなので

交換します。

ソレノイドバルブ交換後も変化なし。

写真はありませんが、再度診断するとVANOSソレノイドモーター

の異常も検出。

こうなるといよいよ沼です。

改めてお客様と打ち合わせをして

少しでも可能性がある箇所の点検と調査を進めていきます。

診断機を見ていると「インテーク側カムシャフトのずれ」

を検出。

今度はバルブカバー開けます・・・

カムシャフトにSSTを取り付けると

インテーク側がずれているのが分かりました。

タイミングチェーンの伸びです。

交換しました。

チェーンガイド、テンショナー同時交換です。

バルブタイミングを合わせます。

バルブカバーガスケットを取り替えて

組み付けていきます。

いざ試運転へ。

もう何回試運転しているのか分かりません。

ミスファイヤも記録されず調子も良い感じで

これでようやくお渡しできると思い会社へ向かっていると

ガクン・・・・

坂道で特に加速が鈍くなって絶不調。。。。

なんか嫌な予感しかしません。

エンジンチェックランプ点灯して警告メッセージも表示。。

フェールセーフが入り速度の出力制限。

なんとか会社には辿り着きました。

診断機を繋げると・・・・・・・・・・

出た。最悪です。

DME故障確定。

もう心が折れそうです。

お客様とは何回も打ち合わせや相談をして

ここも怪しいので作業させて下さい、

次はここもです、

こうなってくると信用問題が絡んでくる

ような気しかしません。

自分がお客様の立場になってみると

「おいおい次から次と・・・」

となるのはやむ追えないです。

ですが、最初からDME故障と判断付けするのは難しく

診断を元に作業や検証を進めていきますし、

実際にバルブタイミングもずれていて

規定値に戻すと次はここがと

非常に難しい難題ですが、

唯一救われたのがお客様の素晴らしいご理解の元

ここまで来れたのが良かったと言うしかありません。

新品のDMEか入手困難となっておりますので

今回は中古のDMEを使ってクローン化を進めていきます。

クローン化されたDMEを車両に戻して

各部の設定や学習などを実行して作業完了。

すぐにご納車するのは不安なのでしばらくの間

試運転に徹して以前のような症状もなくなり

DTCもゼロ。

ようやくお引き渡しとなりました。

この度は多大なるご理解とお時間を頂きまして

感謝しかありません。

ありがとうございました。